キャラクター作成

ダンジョン・ワールドのキャラクター作成は、簡単かつすぐに行えます。最初のセッション開始時に、全員一緒にひとりめのキャラクターを作成することになるでしょう。キャラクター作成はプレイと同じく、ある種の会話です。それが故に、みんなが出席しなければなりません。

プレイ中に、別のキャラクターを作成する必要が生じることも起こりえます。例えば、自分のキャラが殺されてしまった場合などです。そうなったとしても、心配ご無用です。キャラクター作成の手引きに従えば、グループにしっくりくる新たなキャラクターをたった数分で作れるのですから。補充要員を含め、全てのプレイヤー・キャラクターは、1レベルから開始することになります。

キャラクター作成に必要なことのほぼ全ては、キャラクター・シートを見ればわかるようになっています。次のステップに従って、キャラクター・シートを埋めていきましょう。

1.クラスの選択

キャラクター・クラスに一通り目を通し、興味ひかれたものを選んでください。開始時は、全員別のクラスを選びましょう。つまり、ウィザード2名が並び立つことはありません。複数人が同じクラスを望んだ場合は、大人として話し合い、歩み寄りましょう。

私は着席して、ポール、シャノンと一緒に、ジョンのGMするゲームをプレイする。ウィザード用のちょっとしたアイデアが浮かんだので、1体目としてこのクラスをあげてみた。同クラスでのプレイを考えているものは他に誰もいなかったため、私がウィザードのキャラクター・シートを受け取る。

2.種族の選択

クラスによっては種族の選択肢があります。種族は固有のムーヴをもたらしてくれます。

融通のきく存在という考えが気に入った。より多くの呪文が利用できることで、損することはないからね。そんなわけで、ヒューマンを選択する。選んだクレリックの呪文1つを、ウィザードの呪文として詠唱できるようになるからだ。これにより、シャノンのクレリックは、治癒魔法をたっぷり確保することから解放されるだろう。

3.名前の選択

リストからキャラクターの名前を選択します。

エイヴォンがよさそうだ。

4.外見の選択

外見は身なりや容姿のことを指します。各リストから1つずつ選んでください。

病んだ瞳はよさそうだ。ウィザードはみな、定命の人の子が運命づけられていないようなものを目にしているだろうから。腕利きのウィザードに髪を手入れする時間はないだろうし、髪はボサボサ。私のローブは奇妙な代物だ。もしかしたら召喚儀式の最中に、彼方の地よりもたらされたものかもしれない、と考えていることを全員に述べる。食事の時間すら惜しんですべてを学習と研究にあてているので、痩身ということにする。

5.能力値の選択

16、15、13、12、9、8の数値を能力値に割り当ててください。まずは基本ムーヴと、クラスの初期ムーヴを一読しましょう。そして、一番興味の湧いたムーヴ、すなわち多用する行動や秀でている物事を、選び出します。そのムーヴに用いる能力値に16を割り当てましょう。再度リストに目を通して、自分のキャラクターにとって次に重要なものを選抜してください。おそらく、最初の選択を補佐する代物となるでしょう。そのムーヴに用いる能力値に15を割り当てます。残りの数値(13、12、9、8)についても、この手順を繰り返してください。

《呪文詠唱》には【知力】が必要とされるようだ。それこそが自分の目指す方向なので、16をあてる。《危機打開》の【敏捷力】選択肢には、呪文に不備が起きた際にやらかしそうなことが記されているので、15を振る。【判断力】13を役立てれば、大事なディテールを見逃さずに済むだろう(そしてたぶん、【判断力】ベースの《危機打開》で正気を保てる)。【魅力】は召喚したクリーチャーを相手にする際有用かもしれないので、12を割り当てる。命あっての物種なので、HP補強のため【耐久力】に9と記入する。【筋力】は8になる。

6.修正値の把握

次に、能力値に対する修正値を把握する必要が生じます。修正値は、ムーヴで+【DEX】や+【CHA】と指示されている場合に用います。付属のキャラクター・シートを使っているなら、修正値は能力値に割り当てる数値の隣に記入できるようになってます。

7.HPの最大値の決定

HPの最大値は、「自分のクラスの基本HP+【耐久力】」です。開始時のHPは最大値と同じになります。

基本の4に【耐久力】の9を加えて、我が桁外れのHPは13となる。

8.初期ムーヴの選択

キャラクター・シートの1枚目には、開始時のムーヴが記載されています。クラスの中には、ファイターのように、ムーヴの内容を決定する選択肢を内包するものもあります。その手の選択はこの時点で行ってください。ウィザードは呪文書に記した呪文を選ぶ必要があります。また、クレリックとウィザードは、開始時に準備済みになっている呪文を選択しなければなりません。

召喚呪文がわかりやすい選択だったので、〈コンタクト・スピリッツ〉を取得する。〈マジック・ミサイル〉によって、貧弱なウィザード・クラスのd4よりも多くのダメージが与えることが可能となるので、これも入れる。最後の呪文として選んだのは〈アラーム〉。面白い用途が浮かびそうだからだ。

9.属性の選択

属性とは、キャラクターの道徳観を端的に言い表したものです。各クラスの開始時の属性は、限られています。属性を選びましょう。プレイ時、キャラクターが特定の行動を取れば、属性は追加のXPをもたらしてくれれます。

ウィザード用の「中立」の選択肢には、魔法的不可思議を発見したとき追加XPを獲得する、とある。エイヴォンには不可思議の発見こそ人生のすべてなので、中立を選ぶことにする。

10.所持品の選択

クラスごとの開始時の装備を選択することになります。所持限界の値を確認しておきましょう。これは支障なく持ち運べる重量の最大値を示します。アーマーの値を合計して、キャラクター・シートに記入することをお忘れなく。

自分のHPに不安があるので、本ではなく防具を選ぶ。ダガーは儀式に適していると思われるので、杖ではなくダガーを選択する。ヒーリング・ポーションと毒消しはコイントスを行い、前者になった。最後は保存食で完了だ。

11.キャラクター紹介

これで自らのキャラクターの人物像が見えてきたことでしょう。さあ、他のみんなに紹介するときがきました。全員が名前を決め終わるまで待ちましょう。それから、卓を1周させる形で順番に紹介します。自分の番が回ってきたら、キャラクターの外見、クラス、その他自分のPCに関係のある事柄を分かち合いましょう。属性はこの時点で話しておくこともできますし、望むなら隠しておいてもかまいません。

GMが質問を行うのもこのタイミングです。GMの質問は、プレイヤー・キャラクター間の人間関係構築を助けるもの(「それについてどう思っているの?」)で、かつ一行を冒険に引きずり込むもの(「つまり、グリュンドロックとは以前会ったことがあるんだね?」)となるはずです。GMはあらゆる説明に耳を傾け、浮かび上がってきた事柄について質問する必要があります。どこから来たのか、どのような人物なのか、どうして協力することになったのか、その他の関連しているように思えたり興味深いと感じたことを、固めていきましょう。

「こいつがエイヴォン、強大なウィザードだ! 彼はヒューマンで、瞳は病んでおり、頭はボサボサ、奇妙なローブを纏って、痩せぎすだ。さっき言ってたように、ローブが奇妙なのは、文字通りこの世界のものではないから。召喚儀式の最中、彼にもたらされたものなんだ」

12.縁故の選択

全員が自らのキャラクターの特徴を述べ終えたなら、縁故の選択が可能となります。縁故のうち埋める必要があるのは1つですが、より多くに記入する方がお得です。空欄それぞれに他のプレイヤー・キャラクターの名前を書き込んでください。同じプレイヤー・キャラクターを複数の空欄に当てはめてもかまいません。

ある程度時間をとって縁故について話し合い、GMには心に浮かんだ質問をしてもらいましょう。じっくりやりとりすることで、縁故が形成される過程を、全員が楽しみ満足できるものにすることが望まれます。また、プレイ中に各自が掘り下げられるよう、余白も残しておきましょう。最初からすべてを決めてしまわないでください。全員が自らの縁故を記入し終えたなら、グループに向けて読み上げましょう。ムーヴに「ダイス・ロール+縁故」とある場合は、該当プレイヤー・キャラクターに対して自らが有する縁故の数を合計して、ダイス・ロールに加えることになります。

全員が紹介を行ったので、各縁故にどのプレイヤー・キャラクターを記載するのかを決める。ポールのファイターであるグレガー、シャノンのクレリックであるブリントンから選ぶことになる。予言に関する縁故が面白そうに思えたので、グレガーを選んで、「グレガーは来るべき事件において重要な役割を演じるだろう。そう予見している!」と確定させる。異界の存在と接触を持つウィザードと、クレリックとでは、見解が一致することはなさそうなので、シャノンのプレイヤー・キャラクターを書き加えて「ブリントンはこの世界のことをひどく誤解している。できうる限り全てを教えねば。」とする。最後の縁故は開けておき、後で考えることにする。全員が記入を終えてから、私は自分の縁故を声に出して読み上げる。そして、その意味するところ、自分たちが一緒にいるわけ、PCたちがどこへと向かっているのかを、みんなで意見を出し合い決めていく。

13.プレイの準備

少し休憩をとってください。飲み物を持ってきたり、足を伸ばしたりしつつ、自分たちのキャラクターについてわかったことをGMに軽く検討してもらうのです。全員準備ができたなら、ダイスとキャラクター・シートを手に、ダンジョンに挑戦する心構えをしましょう。

用意ができれば、「最初のセッション」の章の記述に従い、GMがことを始めていくことになります。