冒険生活の大半は、埃まみれの忘れ去られた霊廟や、恐怖と命に関わる危機のある場所で過ごすことになります。短く途切れ途切れの休憩から目を覚ますと、いぜんとして地中の奥深くにいて、敵に取り囲まれている、なんてことはざらです。そういった場所から抜け出すときが来たなら、戦利品をどっさり背負っていようとも、打ちのめされ血塗れになっていようとも、冒険者は安寧と慰めを求めるものです。
文明の心地よさの実例としては、温かいお風呂、蜂蜜酒とパンの食事、ヒューマン・エルフ・ドワーフ・ハーフリング仲間とのつきあい、といったものがあげられます。こういった場所へと戻ることを思い浮かべることで、冒険者が一切合切を投げ出さずにすむこともよくあります。戦うのは金貨と栄光のためとはいえ、その金貨を使える場所、馬鹿話と冒険譚に耳を傾けつつ火を囲みながら笑ってられる場所に、思い焦がれぬものなどいましょうか?
この章では、ダンジョンの外の雄壮広大な、周辺の世界を取り扱います。GMのフロントがたゆまず変動し続ける世界を形作り、それを受けて、フロントを阻止したり矛先を変えるべくプレイヤーのとるアクションを、世界に反映していくことになるのです。
種々雑多なコミュニティや砦などの、滞在できて多少なりとも文明を備えた場所(例えば「農場」など)をひっくるめて、居住域と呼称します。居住域は、曲がりなりにも少数の住人(通常は人間)と、最低でも家畜小屋程度の建物がある場所のことです。首都のように大規模ものにも、数軒の倒壊しそうな建物程度の小規模なものにもなりえます。
最初のセッションがどのように話の口火を切ったのか思い出してみましょう。現在進行中、あるいは今にも起ころうとしている活劇場面はあるでしょうか? ある時点で、プレイヤー・キャラクターはその活劇場面からの撤退を余儀なくされるでしょう。傷を癒やすため、あるいは祝杯を挙げ補給するために。
プレイヤー・キャラクターたちが最初の冒険の地を離れ、安全な文明地域へと向かうなら、キャンペーン用地図を描き始める頃合いです。大きな紙を1枚もってきて(好みで白紙、凝るならヘクスで区切られたもの)、全員の見える所に置き、最初の冒険の地に印をつけましょう。このマップは変更されるものですから、鉛筆/シャープペンシルを用いてください。縮尺はお気に召すまま、詳細なものでも、大まかで抽象的なものでもかまいません。いずれにせよ、わかりやすいものにしてください。冒険の地の印を、紙の中央付近に小さくつければ、後から拡充するための余白が確保できるでしょう。
すぐさま最寄りの居住域、すなわちプレイヤー・キャラクターが休息をとり補給できる場所を追加しましょう。地図上のその場所に印を描き入れ、間にある空白をなんらかの地形特徴で埋めるのです。最初の冒険の地から1〜2日の範囲内に置くよう心がけてください。岩だらけの小道や、生い茂る森を通り抜ける短い旅が適しています。あるいは、より長い距離を道なりに進むか、開けた土地を横切るような旅でもかまいません。
(例えば、最初のセッションの後や、おやつ休憩の間などに)時間が取れるなら、ルールを用いて最初の居住域を作成しましょう。キャラクター作成からもたらされたディテールや、居住域ルールによって、その時点で名前のあがっている他の場所にも、対応する地図上の印の追加できないか考えてみてください。
プレイヤー・キャラクターが居住域に滞在しているときに利用可能な、特別なムーヴが存在します。こういったムーヴもやはり、ゲームの物語の流れに従います。プレイヤー・キャラクターが到着したなら、「どうする?」と聞いてください。プレイヤー・キャラクターのアクションが、たいていの場合、リストにあるムーヴを引き起こすことでしょう。小休止、元気回復、補給がカバーされており、心を落ち着かせ、財宝を浪費する機会をプレイヤーにもたらしてくれます。居住域にいても、現実的な物事の成り行きからは逃れられないことはお忘れなく。今まで通り、必要に応じてハード・ムーヴを行い、プレイヤー・キャラクターの行い(あるいは何もしないこと)がフロントをどのように進めるのか考えてください。ダンジョンで戦っていようが、その地の酒場で酔っ払って目を背けていようが、差し迫った破滅はいつだってそこにあるのですから。
居住域への滞在を長々とした小休止にはしないでください。ダンジョン・ワールドは恐ろしく危険な場所であることをお忘れなく。プレイヤーが見ぬふりをする選択をしたなら、ハード・ムーヴを行うまたとない機会がもたらされたことになります。プレイヤー・キャラクターが探求に出ようが出まいが、その生き様は冒険で満たされるのですから。こういったムーヴが存在するおかげで、新しい剣帯を巡る値切り合戦にセッションを浪費することなく、街への滞在を興味深いものとできるわけです。
居住域とは、住民にいくばくかの安全を提供する文明の庇を指します。村、街、砦、都市が最も一般的な居住域です。居住域はタグによって記述されます。全ての居住域は、繁栄度、人口、防衛を示すタグを有します。その多くは、より珍しい性質を説明するタグを持つことでしょう。
居住域はサイズに基づき区分されます。サイズはその居住域が賄える人の数を大まかに指し示すものです。現在の人口が、それより多いか少ないなら、人口タグが教えてくれます。
村は最小の居住域です。通常、辺鄙で主要道路から外れたところにあります。運がよければいくばくかの守備隊をかき集めることができるものの、たいていは熊手とたいまつを手にした群衆が関の山です。村は簡単に利用できる資源(沃土、豊かな漁場、古くからある森林、鉱山など)の近くに位置しています。いくばくかの蓄えはあるかもしれませんが、住民が内輪での物々交換に用いることの方が多いでしょう。通貨が使われることはまれです。
街には百人程度の定住者がいます。製材所(製粉場)、交易所、宿屋を囲むように広がり、大抵は田園、農場、なんらかの家畜を保有する、そんな類の場所です。刃物を振るったり、弓を撃ったりするだけの力量ある農民で組織された、常設の民兵団を有するかもしれません。街には物資が売るほどあるものの、特産品にはまず恵まれません。通常、1〜2種類の地域生産品を重点的に取り扱い、旅人と商いを行うことでしょう。
砦は防衛に特化して作られた居住域です。河川の三角州や豊かな金鉱といった、とりわけ重要な場所を守るために建てられることもあります。砦は文明の辺境たる辺境地帯で見られます。住民は街道での日常的な危険に鍛えられています。逞しい人々であり、その数は百人から千人ほどです(砦のサイズと守っている場所による)。砦が必要量以上の備蓄を保有することはほとんどなく、仕入れ先は近辺の村々です。ただし、大抵は武具を常備しており、その地の未開領域で発見された珍しい魔法のアイテムを有していることすらあるでしょう。
都市はダンジョン・ワールドにおける最大級の居住域にあたり、賑やかな交易の中心地から無秩序に広がる中心都市までを表します。そこはたくさんの種族および多種多様な人々と出くわす場所です。交易路の合流地点にできたり、霊的に重要な場所に建設されることがほとんどです。原料を生産することはあまりなく、食料と資源の仕入れは周辺の村々頼りですが、手工業品といくばくかの一風変わった物品を常時保有しており、求めるものに販売することをいといません。
繁栄度はどういったアイテムが通常入手可能かを示します。人口は、居住域の現在のサイズに対する、住民数を意味します。防衛は、居住域が有する一般的な範疇の武力を指します。以上のカテゴリに属するタグは調節されるかもしれません。〈-カテゴリ〉は、居住域のタグをそのカテゴリの1つ下に変更することを表しています(なので〈-繁栄度〉されたなら、[そこそこ]は[貧窮]になるでしょう)。〈+カテゴリ〉は、居住域のタグをそのカテゴリの1つ上に変更することを意味します(なので〈+人口〉されたなら、[減少]が[安定]になるわけです)。こういったカテゴリ内のタグは、数値のようなものを当てはめてもよいでしょう。カテゴリ内の最も低いタグを1として、それに続くタグには、次の数を割り当てていく訳です([無価値]が1、[貧窮]が2といった具合に)。
タグはプレイするうちに変化することでしょう。居住域を作成することで、現時点でどのような場所に映るかがおおまかに描き出されます。プレイヤー・キャラクターがそこで過ごし、またフロントが推移するのに伴い、世界は変化し、居住域もそれに引っ張られるわけです。
キャンペーン用のマップを作成するとき、最初の居住域(プレイヤー・キャラクターが休息と回復に向かう場所)を追加することになります。最初にマップに書き込むに際しては、名前と所在地だけあれば十分です。
時間があるときに、下記のルールを用いて居住域を作成することになります。最初の居住域は通常村ですが、最初の冒険がヒューマンと密接に関係しているものだった場合(例:ヒューマンの狂信集団と戦った)は、街にすることもできます。次のルールを使って作成してください。
最初の居住域を作成し終えたなら、そのタグ(具体的には、誓約、交易、敵意のタグ)に関係する他の場所や、プレイにおいて言及された他どこかを、追加してもよいでしょう。最初のセッション時は付け加えすぎず、探検するための空白と場所を残すようにしましょう。
プレイが進むに従い、プレイヤー・キャラクターは新たな興味深い地域と場所を見つけていくことになります。過酷な自然環境において直接出くわすか、噂や物語を間接的に耳にするか、どちらかの形で。発見するか耳にしたなら、新規の居住域、ダンジョン、その他の場所をマップに描き加えてください。村は大抵、有用な資源の近くにあります。街は複数の村が取り引きのため集まる地点に築かれることが多いでしょう。砦は重要な場所を監視しています。都市は、より小規模な居住域の交易と支援に依存しています。ダンジョンは多種多様な形態で、どんな場所でも見つかることでしょう。
新たな居住域を追加するたびに、ルールを用いてついているタグを決めてください。顕著な特色を周辺のどこかに加えることも検討しましょう。森林かもしれませんし、古い列石かもしれませんし、荒城かもしれませんし、興味をそそったり、道理にかなった他の何かということもあり得ます。居住域と遺跡のみで、間に何もないマップは味気ありません。その他の世界の造形をほったらかしにしないでください。
[無価値]:売れるものはなく、必要最低限よりも多くを所有するものはいない(そして必要最低限を手にしているなら幸運と言える)。非熟練労働者が安価で雇える。
[貧窮]:最低限の生活必需品のみが販売されている。居住域の防衛が堅固か、好戦的でない限り、武器は乏しい。非熟練労働者が容易に利用できる。
[そこそこ]:大部分の一般的なアイテムが入手可能。数種類の熟練労働者がいる。
[豊か]:あらゆる一般的なアイテムが売られている。大抵の種類の熟練労働者が雇えるものの、高い賃金が要求される。
[裕福]:どこに行けば見つかるのか知っていれば、一般的なアイテムと、それ以上のものが入手できる。専門的な労働者が利用可能だが、値は張る。
[逃散]:居住域は住民を失って崩壊寸前。
[減少]:人口はかつてより少ない。建物は空っぽ。
[安定]:人口は居住域の現在のサイズに見合ったもの。僅かながらもゆっくり増加している。
[増大]:建物に入りきらないほど人がいる。
[急成長]:多くの住民を維持しようとして、資源のやり繰りが限界まで来ている。
[皆無]:棍棒、たいまつ、農具。
[民兵]:いつでも召集に応じるボロボロの武器を手にした壮健な男女。ただし、常設部隊なし。
[歩哨]:厄介ごとに目を配り、ちょっとした問題を収めるべく、召集された見張りが配されている。ただし、主な役目は民兵を呼び集めること。
[衛兵]:武装した守り手が常設されている。総数は100人(かそれに相当する武力)未満。少なくとも1人の武装した警邏が、居住域の周囲を常時巡回。
[守備隊]:武装した守り手が常設されており、総数は100〜300人(かそれに相当する武力)。複数の武装した警邏が常時巡回している。
[大隊]:1000人(かそれに相当する武力)程度の守り手。その上、居住域は防備を維持するための人を配置している。
[大軍団]:居住域は数千の武装した兵士(かそれに相当する武力)によって守られている。居住域の防衛は威嚇的。
[安全]:プレイヤーが持ち込まない限り、外部の厄介ごとがこの地にやって来ることはない。牧歌的で大抵は隠されている。居住域が、他の有益なタグを失うか低下させてしまう場合、代わりに[安全]を取り除くこと。
[信仰]:名前のあがっている神の一柱がここでは崇められている。
[風変わり]:近隣にでは手に入らない商品とサービスが、ここでは得られる。書き出すこと。
[天然資源]:この居住域では、記載された資源(香辛料、1種類の鉱石、魚、葡萄など)が容易く入手できる。その資源はかなりの安値で購入できる。
[欠乏]:この居住域では、記載された資源が深刻に不足しているか、足りなくなりつつある。その資源は相当な高値で販売されている。
[誓約]:この居住域は、名前のあがっている他の居住域に誓いを立てている。一般的には忠誠や支援の誓いだが、ずっと特殊なものかもしれない。
[交易]:この居住域は、名前のあがっている他の居住域と定期的な商いをしている。
[市場]:大勢が売買すべくここにやって来る。繁栄度の基準を大きく上回るアイテムが、いつでも入手可能だ。[備蓄]に+1。
[敵意]:この居住域は、名前のあがっている他の居住域に対して恨みを抱いている。
[歴史]:かつてここで重大なことが起きた。「交戦、奇跡、神話的事件、恋愛、悲劇」から1つを選び細部を詰めるか、自作すること。
[秘術]:報酬が払われれば秘術呪文を唱えてくれる人物が、市中にいる。これにより、多くの秘術使いが集まっており、アデプトを募集した場合、《徴募》に+1。
[神聖]:宗教が重要な地位を占め、たぶん大聖堂や修道院がある。寄進や、探求(クエスト)の解決と引き替えに、治癒が提供される。ひょっとしたら、死者の復活すらも。この地でプリーストを《徴募》するなら+1される。
[ギルド]:名前のあがっている種類のギルドが重要な地位を占める(そして大抵はかなりの影響力を持つ)。ギルドが特定タイプの傭人と深く結びついている場合、その種類の傭人の《徴募》には+1される。
[有名人]:名高い人物がここに住んでいる。名前をつけて、何故有名なのかを短く書き込もう。
[ドワーフ]:この居住域は、ドワーフが重要な地位を占めるか、ドワーフのみからなる。ドワーフの品物は、一般的な状況よりも、ありふれたものであり、安価だ。
[エルフ]:この居住域は、エルフが重要な地位を占めるか、完全にエルフからなる。エルフの品物は、通常よりも普及しており安価だ。
[工芸]:この居住域は、名前のあがった手工業に優れていることで名高い。選り抜きの技術で作られたアイテムが、他よりも入手しやすいか、高品質だ。
[無法]:犯罪が蔓延り、官憲は力がない。
[荒廃]:この居住域では問題が多発している。通常はある種のモンスターによるものだ。
[権力]:この居住域はある種の影響力を保有している。通常は、政治面、宗教面、秘術面のいずれかだ。
グレイバーク、ヌークの四つ辻、タナーの浅瀬、金色ヶ原、バロウ橋、ラム川、ブリンデンバーグ、シャンブルズ、コヴェイナー、エンフィールド、クリスタル瀑布、ドーンティング城、ナルティの港、カースタンシャイア、コーン森、アイアンゲート、メイ丘、ピッグトン、十字路、バトルムーア、トーシー、カーランド、スノウカーム、シーウォール、ヴァーロッシュ、ターミナム、エイヴォニア、バックスバーグ、セトルダウン(永住の地)、ゴブリンジョー(ゴブリン顎)、ハンマー浅瀬、ピット、グレイ・ファスト、エネット・ベンド、ハリソンの避難所、アンドウィン砦、ブラックストーン
初期状態の村は、[貧窮][安定][民兵][天然資源(GMが決定)]がついており、GMの選んだ他の居住域に[誓約]を立てている。村が王国/帝国に属しているなら、次から1つ選択:
問題点を1つ選択:
初期状態の街は、[そこそこ][安定][歩哨][交易(GMが2つ決定)]がついている。この街が、他の居住域の[交易]相手として記載されていた場合は、1つ選択:
問題点を1つ選択:
初期状態の砦は、[貧窮][減少][衛兵][欠乏(物資)][交易(物資のある場所)][誓約(GMが決める)]がついている。砦が少なくとも1つの集落に忠誠を捧げられている場合、次から1つ選択:
問題点を1つ選択:
初期状態の都市は、[そこそこ][安定][衛兵][市場][ギルド(GMが1つ決定)]がついている。加えて、少なくとも2つの居住域(通常は街と砦が1つずつ)に[誓約]を行っている。都市が少なくとも、1つの居住域と交易しており、かつ1つの居住域に忠誠を捧げられている場合、次から1つ選択:
問題点を1つ選択:
キャンペーン用マップ上にあるのは、居住域だけではありません。居住域とその周辺地域に加えて、フロントが(直接的ではなくとも)マップ上に姿を現すのです。
フロントとは組織化のための手段なので、プレイヤー・キャラクターが念頭に置く事柄ではありません。だから、マップ上に直接置かないでください。オルグ・ゴサルのオークどもはフロントかもしれませんが、安易にマップに描き入れることは厳禁です。そうする代わりに、各フロントの特徴的な表出をマップに追加することで、フロントの存在を示唆しましょう。なんなら名前をつけてもよいのですが、フロントにつけたものではなく、プレイヤー・キャラクターが用いるような名前を使ってください。
例えば、オルグ・ゴサルのオークどもは、村を炎上させて去った所行がために、夜間に見た遠方の大火、あるいは続々と押し寄せる避難民という形で、マップに記載されるかもしれません。リッチのゾーサル王は、死せる植物が根を張り蔓延る場所にある塔として記入される可能性があります。
フロントが変化するのに合わせて、マップも改めてください。プレイヤーがゾーサルの塔を浄化したなら、描き直すのです。オークどもが撃退されたなら、避難民の群れを消しましょう。
キャンペーン用マップは、セッションとセッションの間、またはプレイヤー・キャラクターが安全な場所でたっぷり休息を取った際に、更新されます。更新はルールの指示と描写の両方から起きます。例えば、大規模な戦闘部隊を村に集めるという出来事が起きたなら、それを反映するようにタグを更新してください。同様に、村に大規模な戦闘部隊がいることを意味するタグに変更された場合、通りで多くの武装したものを目にすることになるでしょう。
セッションとセッションの合間に、次にあげる各状況をチェックしてください。次回の準備に進む前に、リストを通しで見て、全ての居住域の状況を確認するのです。もし状況があてはまっているなら、内容を適用しましょう。
村や街が活況を呈し、かつ人口が[そこそこ]以上だった場合、繁栄度と防衛を1段階引き下げることで、居住域の種類を1段階大きなものに引き上げてもよい。これにより街になったなら即座に[市場]を獲得し、都市になった場合は即座に[ギルド(GMが決定)]を得る。
居住域の人口が[逃散]でかつ、繁栄度が[貧窮]以下だったなら、規模が縮小してしまう。都市は、人口[そこそこ]で[+繁栄度]した街になる。砦は、[+防衛]と人口[そこそこ]の街に変じる。街は、人口[そこそこ]に[+繁栄度]を加えた村になる。村は廃墟と化す。
居住域が不足しているものを(交易、分捕り、その他の手段を通して)満たすことが求められている場合。[-繁栄度]、[-人口]、その資源に左右されるタグ([工芸]や[交易]など)の喪失、のいずれかを被ることになる(GMが決定)。
取引先がいなくなったこと/経路が危険にさらされたこと/政治的な理由、により交易が妨害されたなら、居住域は[欠乏(交易品)]を被るか、[-繁栄度]される、のいずれかを選択しなければならない。
資源の支配権に変化が生じたなら、その資源のタグを前の所有者から除去して、(適切なものがいれば)新たな所有者に追加すること。前の所有者がその資源を基にした[工芸]や[交易]を有していた場合、すぐさま[欠乏(その資源)]を受けることになる。新たな所有者にその資源の[欠乏]が付いていたなら、除去すること。
居住域が現在の繁栄度の段階よりも多くの[交易]を有しているなら、[+繁栄度]される。
ある居住域が、他の居住域に[欠乏]している資源を保有しているなら、[敵意]や他の外交上の理由で阻害されない限り、貿易関係を取り結べる。資源を保有する側の居住域は、[+繁栄度]に加えて、[誓約]/[+人口]/[+防衛]のいずれかを選択取得することになる。[欠乏]を持つ側の居住域は、その[欠乏]を除去して、[交易]を追加する。
攻撃を受けている居住域に[誓約]を行っているところがある場合、後者は[-防衛]を受けることで、前者に[+防衛]をもたらすことができる。
居住域が敵対勢力に包囲されたなら、損害を被ることになる。武力を持って反撃するなら[-防衛]を食らう。その結果として防衛が[歩哨]以下になったなら、さらに[-繁栄度]されてしまう。反撃せずに攻撃が過ぎ去るのを待とうとするなら、[-人口]となる。その結果として人口が[減少]以下になったなら、GMの選んだタグが1つ失われる。居住域の防衛が攻撃側に勝っているなら(不明確な場合はGMが決定するか、冒険用フロントの一部として組み込むこと)、居住域はもはや包囲状態に置かれているとはみなされない。
ある居住域が、自分たちより弱い居住域に[敵意]を抱いているなら、攻撃することができる。居住域の間の距離(要する保存食の数)を、[敵意]を抱く側の[防衛]から差し引くこと。その結果が、相手の居住域の[防衛]と、規模の差ごとにもたらされる[+防衛](村<街<砦<都市)の合計を上回っている場合、確定的な攻撃となる。そうでなければ、GM判断に委ねられる。例えば、直前に何が起きて怒りがかきたてられる結果となったなら、攻撃側の軍は、防御側の抵抗を許してしまい、攻撃を続ける間は[-防衛]を被ってしまう、といった具合だ。
2つの居住域が互いを攻撃するなら、双方の軍は間に横たわる場所のどこかで戦端を開くことになる。両者が互角だった場合は、双方[-防衛]を被り、軍勢は故郷に帰還する。片方が優位に立っているなら、そちらは[-防衛]を、相手は[-2防衛]されることになる。
前述の状況が詳細をもたらしてくれるのは、居住域の間の最も基本的な相互作用に過ぎません。当然ながら、フロントとプレイヤー・キャラクターの存在は、事態をずっと複雑なものとします。タグと説明に続けて、必要に応じてその介在を加味することで、プレイヤー・キャラクターの行動とフロントのもたらす影響を世界に反映しましょう。